「だめなの?こうしたら朋美さんと気持ちが共有できるような気がしたんだ」
「カズヤ君……」
「カズヤって呼んで。
オレも朋美って呼びたい」
ブルブルブル……
携帯がまた鳴った。
うるせえな。
カズヤは携帯の電源を切った。
再び朋美にキスをする。
もう抵抗はしなかった。
朋美の吐息は桃のような甘い香りがした。
朋美の唇はやわらかく、しっとりと濡れている。
それが心地よくて、カズヤは何度も唇を重ねた。
舌を忍び込ませると、まるで少女のように控え目に舌を絡ませてくる。
カズヤは唇をまぶたに移動させた。
朋美のまつげから涙の味がしなくなるまで、まぶたにキスをした。
そっと、そっと、優しく。
だんだん朋美の体から力が抜けていくのがわかる。
「いいの?」
とカズヤが聞くと、朋美は何も言わず、大きな瞳でカズヤをじっと見た。
朋美の首筋に唇を這わせながら、服を一枚ずつ脱がせていった。
「あぁ……」
朋美は気をやり始めている。
呼吸が深く、大きくなっている。
2人で裸の胸をくっつけて向き合っていると、何だろう、カズヤは不思議な気持ちになった。
これまでにも知り合った女とその日にセックスしたこともあったけど、今日は何だか違う。
あの駅で降りたのは、あの橋を渡ったのは、偶然なんだろうか。
今までに数々の女とセックスしてきた。
大声を出してすぐにイく女もいた。